災害ボランティア活動:社会的役割と実践の際の注意事項

みなさんこんにちは!防災士「電線の切れた電柱」です!

災害は予期せぬ形で私たちの生活に影響を与え、時には大きな損害を引き起こします。そのような時、災害ボランティアは社会の回復において重要な役割を果たします。この記事では、災害ボランティアの意義、背景、注意点について詳しく探ります。

災害ボランティアの意義

日本における災害ボランティア活動は、1995年の阪神・淡路大震災が大きな転機となり、この年は災害ボランティア元年と呼ばれています。阪神・淡路大震災は、多くの死傷者と広範囲な物的被害をもたらしました。そしてこの出来事に際して多くの人々が立ち上がり、災害ボランティアの参加者は延べ180万人といわれています。

また、多くの倒壊した建物で生き埋めが発生しましたが、救助された方の約80%以上は近隣住民や通行人など、救助隊以外の人々の力によって救助されました。この出来事は、日本の災害ボランティア活動の性質と規模に重要な変化をもたらしたのです。災害ボランティア活動の根底にあるのは、共感と支援の精神です。被災者に対する直接的な支援だけでなく、共に悲しみを分かち合い、再建への希望を提供することができます。また、社会全体に災害の現実を伝え、災害対策への意識を高める効果もあります。

ボランティア活動の背景

災害ボランティア活動は、被災地の即時的な復旧と長期的な復興を目指しています。活動内容は清掃、物資の配布、仮設住宅での生活支援、心のケアなど多岐にわたります。これらの活動は、被災地に迅速かつ効果的な援助を提供し、復旧と復興を加速させる役割を果たします。

災害ボランティア活動の運営

災害ボランティア活動の運営をつかさどる事務局は全国の【社会福祉協議会】が担当することになっており、その事務局を【災害ボランティアセンター】(略称 ボラセン)と呼びます。

災害ボランティアセンターでは被災者からのボランティアのニーズと、災害ボランティアをマッチングし、復旧・復興活動を円滑に行う、【災害ボランティアコーディネート】を行います。

また、日本全国の災害ボランティアを必要としている自治体の情報も【災害ボランティアセンター】をインターネット検索する事で手に入れる事が出来ます。

災害ボランティア活動の種類

◎災害ゴミの搬出・家屋の片付け

◎被災した家屋の清掃活動

◎避難所運営の支援・資搬入や清掃など

◎被災者支援の活動・被災者の心に寄り添う傾聴活動や子ども達の遊び相手など

災害ボランティア活動は力仕事のイメージが強い方も多いかと思いますが、体力を使う活動以外にも様々な活動が被災地では求められています。専門性が無くても大丈夫です。まずは一歩踏み出してみましょう。

ボランティア活動の注意点

災害ボランティアに参加する際に大事なことは【自己完結】です。被災地の物資を奪ったり、被災地にゴミを残して負担をかけることにならないように、あらゆる準備が必要です。特に以下の点に留意する必要があります。

  1. 安全と自己準備:適切な装備を準備し、自己の安全を最優先に考えることが必要です。ヘルメットと長袖長ズボンの着用は当然ながら、被災地は下水粉塵などの健康リスクがあります。防塵マスク、ゴーグルの着用も必要です。
  2. 体力管理:過度な体力消耗を避けるため、休息を取りながら活動することが重要です。特に夏場であれば連続での活動は30分程度にとどめ、熱中症予防を徹底する事が重要です。
  3. 被災者の尊厳:被災者のプライバシーと尊厳を尊重し、共感と支援の姿勢を持つことが求められます。例えば、被災者の家屋を片付ける際には、災害ゴミの搬出などの作業が多くなります。しかし、災害ゴミは災害がなければ、被災者にとって大切で思い出深い大切な家財道具です。「災害ゴミを搬出します」ではなく、「家財道具の搬出をします」などと言い換えて、被災者の気持ちに寄り添う事は重要です。
  4. 文化への配慮:異なる地域の文化や習慣を尊重し、地域住民とのコミュニケーションに配慮することが大切です。
  5. 適切なコミュニケーション:他のボランティアや関係者との効果的なコミュニケーションを保つことが重要です。被災者の状況を考えると休憩をせずに頑張ってしまう方も出てしまいます。上手くコミュニケーションをとり、そういった避けるべき行為を全員で避けるコミュニケーションは重要です。
  6. 災害の種類に応じた対応:災害の種類に応じて、求められる支援の形態を理解し、適切に対応する必要があります。
  7. 災害ボランティア保険の加入:ボランティア活動中の事故によるご自身のケガ、作業対象である被災者の家屋等への万が一の事故の賠償のために、ボランティア保険の加入は必須です。被災地の現地ボランティアセンターの事務負担を軽減するために、居住地の社会福祉協議会において予め加入しておくことが重要です。

災害ボランティアの社会的重要性

災害ボランティア活動は、物理的な援助を超えた社会的な価値を持っています。被災地の人々に希望と勇気を与えることで、コミュニティの再建に貢献します。また、自然災害による災害が増加する中で、地域の垣根を越えた全国的な災害ボランティアの役割は今後もますます重要になると考えられます。

自分たちの身を守る、防災(自助)に取り組むことだけでなく、困っている他の被災者に手を差し伸べるための準備も同時に進めていくことが、私たちの住む社会を守る事に繋がります。出来る事から災害ボランティア活動を始めましょう!