避難所での感染症クラスターを防ぐ

みなさんこんにちは!防災士「電線の切れた電柱」です!

能登半島地震で避難所での生活が長引くにつれて、避難所での感染症対策が改めて注目されています。

避難所でのクラスター発生は、災害時において深刻な問題の一つです。避難所で感染症クラスターが発生すると災害関連死に繋がってしまいます。この記事では、避難所でのクラスター発生を防ぐための対策と考え方について解説します。

避難所におけるクラスター発生のリスク

避難所では、多くの人々が狭いスペースに集まるため、感染症の拡散リスクが高まります。特にインフルエンザや新型コロナウイルスなどの呼吸器系の感染症は、密閉された空間での拡散が懸念されます。

事前の準備

  • 情報収集: 避難所を設営する際には、最新の感染症情報を把握し、必要な対策を講じる。
  • 物資の準備: マスク、消毒液、手洗い用の水と石鹸など、衛生管理に必要な物資を確保する。

    ゾーニング

    避難所での感染症対策におけるゾーニングは、感染の拡大を防ぐ上で非常に重要です。ゾーニングとは、避難所内を異なる区域に分けて、感染リスクの管理を行うことを指します。以下にそのポイントをまとめます。

    1. リスクエリアの識別と区分:
      • 高リスクエリア: 感染の疑いがある人や症状がある人が滞在する区域。
      • 中リスクエリア: 一般の避難者が使用する区域。食事や睡眠スペースなど。
      • 低リスクエリア: 運営スタッフやボランティアが主に活動する区域。
    2. 物理的な隔離と制御:
      • ゾーン間の物理的な隔離(例:トラバー、パーティション)を設ける。
      • 各ゾーンへのアクセスを制御し、不要な移動を最小限にする。
    3. 衛生管理の徹底:
      • 手洗いステーションの設置、消毒剤の利用を促進。
      • 共用スペースの定期的な清掃と消毒。
    4. 避難所内での情報共有と教育:
      • ゾーニングの目的とルール、表示についての明確な説明。
      • 避難所利用者への感染症対策教育とガイドラインの配布。
    5. 健康モニタリングと追跡:
      • 避難者の健康状態のモニタリング。
      • 症状がある人を迅速に特定し、隔離エリアへ移動させる。
    6. 緊急時対応計画の準備:
      • 感染が確認された場合の緊急対応計画。
      • 医療機関との連携や避難者の搬送ルートの確保。

    このようにゾーニングは、避難所における感染症対策の基本的な要素となります。適切に計画し、実施することで、避難所での感染拡大リスクを軽減することが可能です。そしてそのためには平時から施設管理者とともに移動導線などに配慮したエリア決め、ゾーニングを事前に行っておくことが重要です。

避難所での対策

  • 密集の回避: 可能な限り、人と人との距離を保つために、避難所内のスペースを工夫して配置する。
  • 換気: 空気の流れを良くするために、定期的に窓を開けて換気を行う。
  • 衛生管理: 手洗い、うがい、消毒の徹底を促す。また、マスクの着用を推奨する。

個人の対策

  • 体調管理: 避難所にいる間は、自分の体調を常にチェックし、異常があればすぐに報告する。
  • 自己防衛: マスクの着用、手洗い、消毒など、個人の衛生管理を徹底する。

コミュニティとしての対応

  • 情報共有: 避難所内での感染症の情報や対策に関する情報は、避難者全員に迅速に共有する。
  • サポート体制: 高齢者や基礎疾患を持つ人々へのサポート体制を整える。

緊急時の対応

  • 分散避難: クラスター発生のリスクが高い場合、避難者を別の施設に分散させる。
  • 専門家のアドバイス: 感染症専門家のアドバイスを受け、対策を調整する。

まとめ

避難所でのクラスター発生を防ぐためには、事前準備、避難所での対策、個人の対策、コミュニティとしての取り組み、緊急時の対応が重要です。これらの対策は、災害時だけでなく、日常生活においても有効な衛生管理の基本となります。避難所での生活は、不便さやストレスが伴うものですが、互いに協力し合い、安全を最優先に考えることが重要です。