防災の最後の砦:地域コミュティ

こんにちは! 防災士「電線の切れた電柱」です!今日は防災において重要視される地域コミュニティについて考えてみたいと思います。

コミュニティ防災とは、地域やコミュニティ単位で行われる災害対策のことを指します。このアプローチでは、地域住民が主体となって、災害発生時のリスクを低減し、災害への対応力を高めるための活動を行います。コミュニティ防災の目的は、地域の実情に合った具体的かつ実効性のある防災対策を計画・実施することで、災害に強いコミュニティを作り上げることにあります。

コミュニティ防災の主な特徴として以下の点が挙げられます:

地域住民の参加

  • 地域住民自らが防災計画の策定や防災訓練に参加し、災害発生時にはそれぞれが担うべき役割を果たします。

地域の特性を生かした取り組み

  • 地域の地理的、社会的、経済的特性を考慮した上で、最も効果的な防災対策を計画します。地域コミュニティの集まりである、町内会や自治会、自主防災組織などが中心となります。

防災に関わる地域団体

  • 町内会・自治会⇒日本の町内会制度は、地域コミュニティを構成する基本的な単位であり、地域住民の相互協力による自主的な組織です。町内会は、住民が自らの地域で生じる様々な問題や活動について協議し、解決策を模索するためのプラットフォームを提供します。この制度は、日本独特の地域社会の結びつきを強化し、住民間の協力を促進することを目的としています。

    現代の日本においては、社会の変化に伴い、町内会に対する関心の低下や加入率の減少、世代間のコミュニケーションの希薄化など、様々な課題が指摘されています。特に若年層や単身世帯の増加、多様なライフスタイルの尊重などが、町内会への参加意欲に影響を与えているとされます。

    それにもかかわらず、町内会は依然として日本の地域社会において重要な役割を果たしており、地域コミュニティの絆を強化し、住民が相互に支え合うための基盤となっています。今後も町内会は、時代の変化に適応しながら、地域社会におけるその重要性を維持していくことが期待されています。

    • 自主的な参加: 町内会への参加は基本的に自主的であり、地域によっては加入率が異なります。
    • 会費の徴収: 運営資金や活動資金を確保するために、会費が徴収されることが一般的です。
    • 組織構造: 町内会には会長や役員がおり、これらは住民による選出またはローテーションで決定されます。
  • 自主防災組織⇒自主防災組織は、地域コミュニティにおいて住民自らが立ち上げ、運営する災害対策のための組織です。この組織の目的は、地域の特性やニーズに応じた防災活動を通じて、災害発生時の被害を最小限に抑え、地域住民の生命と財産を守ることにあります。自主防災組織は、公的機関の支援のもとで運営されることが多いですが、その活動の中心は地域住民自身による自主的な取り組みです。地方自治体より、少額な予算が提供されている事が多いです。
  • 民生委員⇒民生児童福祉委員(通称:民生委員・児童委員)は、日本において地域の福祉の向上と児童の保護を目的としたボランティアの公的委員です。彼らは、地域住民と行政の橋渡し役として、福祉サービスの必要な人々への情報提供や相談支援、児童の権利保護、家庭訪問などの活動を行います。民生委員・児童委員は、地域の中で生活する人々の様々な問題やニーズに対応し、特に支援が必要な高齢者、障害者、子どもやその家族などに対して、福祉サービスへのアクセスや相談支援を提供します。

    教育と訓練

    情報の共有とコミュニケーション災害発生時の正しい行動や応急手当の知識を地域住民に提供し、定期的な訓練を通じて実践的なスキルを身につけさせます。

情報の共有とコミュニケーション

  • 地域内での情報共有システムを確立し、災害情報や避難所の情報などを迅速に共有します。

ネットワークの構築

  • 地域内外の様々な組織や団体と連携し、災害対策に関するリソースや情報を共有します。

持続可能な活動

  • 長期的な視点を持ち、継続的な改善と更新を行いながら、持続可能なコミュニティ防災を目指します。

コミュニティ防災は、公的機関だけでなく、地域住民一人ひとりが災害対策に参加し、共に協力することで、より強固な防災体制を築くことができます。地域に根ざした防災活動は、災害発生時の被害を最小限に抑え、迅速な復旧・復興を実現する上で非常に重要な役割を果たします。

まとめ

1995年の阪神淡路大震災では倒壊した建物から救助された方の8割は通行人や地域住民によって救助されました。また、避難生活の拠点となる避難所を運営するのも地域住民で、少しでも健康的な生活を送るためには地域住民による自治が重要です。

被災時に急遽取り組むのではなく、普段から地域コミュニティとの繋がりを大切にしていくことが防災の最後の砦といえます。組織に加入することに抵抗が有る場合にはまずは挨拶や声掛けから繋がりを作っていきましょう