皆さんこんにちは!
防災士「電線の切れた電柱」です。
今日のテーマは帰宅困難者問題です。
地震や台風などの大規模な災害が発生した際、交通インフラの麻痺などによって多くの人々が帰宅することが困難になることがあります。この「帰宅困難者」という状況は、特に大都市圏で顕著になります。交通機関の麻痺、道路の閉鎖、通信インフラのダウンなどが主な原因です。
では、このような状況に対しての備えはどのような対策が考えられるでしょうか?
帰宅困難者問題の対策
1.非常用持ち出し袋の事前の準備
ご自宅に非常用持ち出し袋を用意している方は多くても、職場に非常用持ち出し袋を準備している方は少ないのではないでしょうか?どこで被災するかはわかりません。自宅と職場という2つの生活拠点それぞれで防災に取り組む事が重要です。
非常用持ち出し袋の準備: 水、非常食、懐中電灯、ラジオ、予備のスマートフォンバッテリー、救急セット、現金。特に長時間の歩行を想定して「歩きやすい靴」と、「ヘッドライト」。帰宅困難者支援支援ステーションの施設での宿泊に備えた「寝袋」や「防寒具」の準備は大切です。
また、職場や学校の近くにある避難所や公共の建物を把握しておくこと、帰宅困難者支援ステーションの把握も平時から取り組むべき内容です。
2. 災害時の行動
情報の収集: 災害情報はラジオやスマートフォンのアプリから得る。地域の防災無線や公共の掲示板も重要。
連絡網の確立: 家族や友人と事前に連絡方法を決めておく。万一の場合の集合場所も決めておく必要があります。
3. 職場や地域社会での取り組み
帰宅支援システムの構築: 職場で帰宅困難者用のシェルター(帰宅困難者支援ステーション)や支援物資を用意。
地域コミュニティの強化: 地域住民との情報共有や支援体制を整える。
無理して帰宅しないことが重要。そのための対策です
自然災害が発生した際に帰宅するための行動を起すとどのようなリスクがあるのでしょうか?
人口が密集する大都市において多くの人々が一斉に帰宅しようと駅などに集中すると群衆雪崩が発生することがあります。群衆雪崩とは2022年のソウル梨泰院雑踏事故が有名ですが、人が集まりすぎて、大きな力が発生し、転倒や将棋倒しなど非常に危険な事故が発生するメカニズムです。2022年のソウル梨泰院雑踏事故では数百人の人々が犠牲になっています。
「群衆雪崩」の原因としては、大勢の人々が密集している場所で、突然の混乱やパニックが発生し、群衆が制御不能になった結果、人々が押し合いへし合いして起こるとされています。この現象は主に大規模なイベントや集会、公共の場所で見られ、群衆の動きが雪崩のように制御不能になることからこの名前がついています。この群衆雪崩が都市部での災害時の一斉避難でも発生しえるのです。
津波による被害が想定されているエリアでは急いで津波避難ビルなどへの移動が必要ですが、そうではない場合には倒壊の心配のない安全な建物内部(お勤め先)などで待機し、無理して避難しないという選択も重要です。
そのために求められるのは
職場に待機が出来る程度の防災備蓄をしておくことや、安全に待機できる場所を予め把握しておくことが大切です。
それでもどうしても自宅へ戻る必要がある。家族の元に向かう必要がある。このような場合に必要になるのは、
歩きやすい靴(スニーカー)も忘れてはいけません。
特に被災地にはガレキが散乱しますので、スニーカーには釘の踏み抜き防止板を入れるなどの対策をしておくとより安全です。
しかし、被災時に初めて踏み抜き防止版の入った靴を履くと魚の目が出来て歩行が困難になったり、足を痛める事があります。まずは平常時に一度着用し、足の訓練も行いましょう。
今回は勤務先での帰宅困難者問題の対策について考えていきました。必要な備えは自宅だけではありません。お勤め先でもあなたの安全を守る対策を進めましょう。
いますぐ一歩を踏み出しましょう!小さな一歩でもかまいません。大切なご家族やご自身の命を守るきっかけは今この時です!