災害時の水の確保:命を守るための基本知識

みなさんこんにちは!防災士「電線の切れた電柱」です!今日のブログのテーマは災害時の水の確保です。

災害時に最も重要な生存要素の一つが「水」の確保です。地震や台風などの自然災害が発生した際、水道の供給が途絶えることがあります。こうした状況下で生き延びるためには、適切な水の備蓄と確保方法を知っておくことが不可欠です。

水の重要性

人間は水なしで数日しか生きられません。体内の水分が不足すると、脱水症状を引き起こし、重大な健康リスクに繋がります。特に災害時はストレスや体力の消耗が激しいため、十分な水分補給が必要です。

そして、避難所での「災害関連死」とも水は密接に関係しています。

・水分不足による血栓症リスク(脳梗塞・心筋梗塞)

災害時に水不足やトイレを我慢するために水を摂らないなど、水が飲めない状況が続くと血液がドロドロになり、血栓ができやすくなります。その結果起こるのは脳梗塞や心筋梗塞です。日本人の死因の上位を占める大変恐ろしい症状が懸念されます。

・口腔内の環境悪化による誤嚥性肺炎リスク

歯磨きやうがいが出来ないことで、口腔内には雑菌が発生します。お水が飲めない状況が続くと、唾液が不足し、唾液による殺菌も出来ず、口腔内の環境は悪化します。そのような状況になると誤嚥性肺炎はすぐに起きてしまいます。特にご高齢の方にとって、誤嚥性肺炎は致命的なリスクとなります。

災害時の水の備蓄

  1. 備蓄量の目安: 一人当たり1日に必要な水の量は、飲用と簡易な料理用で約3リットルです。最低でも3日分、理想的には1週間分の水を備蓄しておきましょう。
  2. 保存方法: 市販のミネラルウォーターは、直射日光を避けて涼しい場所に保存してください。また、自宅で水を保存する場合は、清潔な容器を使用し、定期的に入れ替えることが重要です。

水の確保方法

  1. 雨水の利用: 清潔なバケツやシートを使って雨水を集め、飲用には用いず、トイレ用水などに使用しましょう。可能であれば、ハイターなどの塩素系漂白剤を入れて利用すると感染症予防により効果的です。
  2. 水道水の安全利用: 災害直後、水道水が利用可能な場合でも水質の変化に注意が必要です。不安な場合は沸騰させるか、水質を改善するフィルターを使用しましょう。
  3. 自然水源の活用: 川や湖の水を利用する場合は、必ず沸騰させるか濾過浄水器を使用してください。自然水は見た目がきれいでも、細菌やウイルス、寄生虫などが含まれる可能性があります。

注意点

  • 水質の確認: 浄水器や薬品による処理は、可視の汚れを除去するものではありません。泥水などは、まずろ過してから処理してください。
  • 飲料以外の用途: 飲用以外にも、手洗いや調理にも清潔な水が必要です。これらの用途には、飲料水より品質が低くてもよい水を別に確保しておくと良いでしょう。

通常のペットボトルのミネラルウォーターと防災用備蓄水の違いは?

通常のミネラルウォーターの賞味期限は約2年、防災用備蓄水は5年から10年と賞味期限に差があります。

この差を見ると、殺菌方法や光による変質を防ぐためのパッケージに特殊な処理がなされている・・・と思いがちです。一部はあっていて一部は不正解となります。

基本的に日本で製造されているミネラルウォーターは殺菌処理などがされており、衛生的には非常に厳格に管理されています。そのため1年以上2年程度の長期の賞味期限が定められています。そしてこの賞味期限という部分が重要で、あくまでも品質保持の期間である消費期限ではなく、賞味期限であるのです。

長期保存水の賞味期限は5~10年。 通常のミネラルウォーター(約2年)の2倍から5倍ほど長持ちします。 賞味期限は、定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限であり、飲料水は賞味期限を過ぎても一律に飲めなくなるものではありません。(出典・農林水産省WEBサイト)

賞味期限は美味しく飲める期限であり、その期限を越えても品質が著しく劣化するわけではありません。また、水の場合にはカビなどの場合には目視ですぐに判明しますので安全性は分かりやすいと思います。

では長期保存水はどのような差があるのでしょうか?それは蓋と容器にあります。

なんと計量法という法律によって2%以上内容量が変化すると販売出来ないのです。そのため長期保存水は通常よりも分厚いペットボトルによって蒸発を防いでいるのです。

中身は同じお水です。飲みなれた製品を買うか、長期保存水を買うかはあなた次第。まずはどちらでもいいので、備蓄が大切です。

結論

災害時の水の確保は、生存に直結する極めて重要な課題です。適切な備蓄と知識を持つことで、災害時における水の不足を防ぎ、自分自身と家族を守ることができます。常に準備を怠らず、災害に備えましょう。